【月刊「技の研究」】

このページは毎月、写真やイラストを用いながら、技や稽古の説明を行い、共に技術の向上に役立つよう研究の成果を掲載していきます。


2018年8月号 №28

【古流護身の形16本目】

立ち技8本 8本目

「前襟取り」に対する「下段当て」からの「逆手取り小手捻り抑え」

①受けは取りの前襟を掴み引き寄せます。

②取りは受けの引き寄せより早く受けの正面に移動し、直ぐに右膝をつき腰を落とし、受けの右足の膝下に取りの右手を当て、取りの左手は受けの足首の裏の少し上の部分を掬うように当てます。

③取りは右手で受けの右足の膝下に体重を預け、左手で受けの足首を掬い受けを仰向けに倒し、そのまま受けの右足首を右手で掴みます。

④取りは右足を十分に曲げながら受けの右足を右腰に乗せ、右足を伸ばしながら立ち上がり受けの腰を浮かします。

⑤そのまま、取りは左手で受けの顔面に打ち込み、受けは左手で防ぎます。

⑥取りは受けの左手を掴み、左手は足首を放して受けの肘を押さえながら受けの身体を俯せに返します。

⑦取りは受けの頭の方に移動し左膝で受けの首の下を押さえ、右手と左手を上下に入れ替えながら受けの左手を小手に捻ります。


2018年7月号 №27

【古流護身の形15本目】

立ち技8本 7本目

「後抱え取り」に対する「転回小手捻り」

①取りは前に進み、受けは背後からついていきます。

②受けは取りを後方から抱きかかえるように攻撃します。

③取りは抱えられないように腰を引き、受けとの間に空間を作ると同時に両手を前方に張り、受けの攻撃を防ぎます。

④取りは受けの左手を右手で上から押さえます。

⑤そのまま、両手を振り上げ転回しながら、受けの小手を小手捻りに取り左手で受けの肘を押さえながら後方に引き倒します。

※④で押さえた受けの左手が取りの腕から転回し引き倒すまで離れないように気を付けること。


2018年6月号 №26

【古流護身の形14本目】

立ち技8本 6本目

「逆襟締め」に対する「前落し」

①受けは取りの相構えの手首を取りながら後方に回り込み取りの前襟を取りに行きます。

②取りは掴まれた腕を転回しながら振り上げ、受けが前襟を掴むタイミングで前方に投げるように振り下ろします。

③受けの態勢が崩れ腕が十字の状態で取りは前落としを掛けます

※後の先の崩しの8本目に似ていますが、受けの攻撃が異なりますので違いを理解しましょう。


2018年5月号 №25

【古流護身の形13本目】

立ち技8本 5本目

「逆十字締め」に対する「転回小手捻り」からの「前落し」

①受けは前方から取りの前襟を十字に締めにきます。

②取りは締められないように体を開き(横向きになり)ながら右手で受けの顎付近に当身を入れます。

③同時に左手で締めにきた受けの手を身体に密着させるように押さえます。(この手の押さえは投げるまで離れないように強く押さえておきます)

④腰を捻りながら、当身を入れた右手の肘で受けの腕をかちあげ、受けとの間に空間を作ります。

⑤その空間を使って転回することにより押さえていた取りの左手が受けの左手を小手捻りに掛けます。

⑥転回小手捻りが掛かった状態で前落としに投げます。

※胸と手を使った転回小手捻りの技になります、③では握ったり掴んだりすると返って胸との密着度が弱まり転回小手捻りが掛からなくなりますので注意してください。


2018年4月号 №24

【古流護身の形12本目】

立ち技8本 4本目

「逆構え取り」に対する「腕返し」

①受けは右構えから取りの左手首を掴みに行きます。

②取りは受けの手を誘うように左手を下げながら手の平を返し受けの小指を掴みます。

③左手を受けの顔の前をかすめるように円を描きながら足を進めます。

④同時に右手を左手に合わせるように円を描きながら左手の前腕に添えます。

⑤右手が受けの右手首に引っかかり、そのまま右手の親指を下に向け受けの右手をロックします。

⑥ロックしたまま前方に投げます、受けは最後まであきらめず反転し前方回転で受け身をします。

※前方に投げるときは、組んだ腕を緩やかにほどくようにし、受けの腕を傷めないようにします。決して強引に投げないようにします。


2018年3月号 №23

【古流護身の形11本目】

立ち技8本 3本目

「逆構え中袖取り」に対する「順手取り小手捻り抑え」からの「逆構え当て」

①受けは左構えから取りの右手中袖を掴みに行きます。

②取りは掴まれると同時に右前に一歩踏み込み肘を畳み受けの手首を挟み脇を締めます。

③右手の脇を少し空け、腰を捻りながら受けの手首を返すように腕を被せます。

④そのまま受けの手首をえぐるように肘を返し自身の身体に密着させます。

⑤受けの手首を押さえたまま、真っ直ぐ腰を落とし受けを下方に崩します。

⑥手首を緩めると、受けが反応し姿勢を戻そうと立ち上がろうとします。

⑦取りは受けのこめかみに逆構えを掛け移動力で倒します。

※④⑤を分けて2動作で行います。


2018年2月号 №22

【古流護身の形10本目】

立ち技8本 2本目

「逆構え片手取り」に対する「腕捻り(転回腕捻り)」

①受けは右構えから取りの左手を掴みに行きます。

②取りは掴まれると同時に右手で当身を当てながら、左足を勧め受けを隅に崩します。

③そのまま、右半身で受けの肩に当たるように進み、受けと横並びの位置に立ちます。右手を振り上げます。

④まず、左手を振り上げてから、反転します。

⑤左手を相手の足をすくうように大きく振り下ろしながら、左足を引き、受けの真後ろ(受けの正中線上)に移動します。

⑥振り下ろした左手で受けの右手首を小手に取ります。同時に、空いている右手で受けの首を抑え動きを止めます。

⑦首を抑える右手を緩めると受けが少し体勢を戻そうとしますので、そのタイミングで小手に取った左手で受けを投げます。

※④必ず2動作で行います。


2018年1月号 №21

【古流護身の形9本目】

立ち技8本 1本目

「前襟取り」に対する「逆手取り小手捻り」からの「逆構え当て」

①受けは取りの前方より前襟を掴みに行きます。

②取りは受けに前襟を掴まれたら、掴まれた手の真下の道着をしっかり左手で掴み、両足を踏みかえ、半身になりながら左後方に下がり、同時に受けの顔に右手で当身を当てて受けとの距離を空けます。

③右手を滑らせ受けの掴んだ手の甲に被さるように掴みます。この時に受けの手の平まで指を深めに掴みます。

④道着を掴んだ左手と受けの手の甲を掴んだ右手をハンドルを回すように受けの手首を捻り、同時に左半身から右半身に腰を捻ります。

⑤右手は自身の胸に突き刺すように密着させ受けの指に圧力を掛けます。同時に右手を道着から離し、受けの右手首を深めに掴み両脇を締めるように手首を捻ります。

⑥手首が極まったら背中が丸くならないように受けの中心に向かい胸を押し出しながら更に手首を極めて捻り落とします。

⑦相手が耐えきれずしゃがんだら、一旦極めを緩め、受けが体勢を立て直そうと立ち上がって来たところに逆構え当てを掛けます。

※②の下がる方向は、受けの両踵の線上の左後方です。


2017年12月号 №20

【古流護身の形8本目】

半座半立ち4本 4本目

「前襟取り」に対する「前落し」

①受けは取りの前方より前襟を掴みに行きます。

②取りは受けに前襟を掴まれる前に下方より手首を掴み軽く極め上げます。

③そのまま、後方に下段に崩しながら、受けに肘にもう一方の手の平を当てて転回します。

④反対方向に向き直ると同時に掴んだ手を返しながら肘に当てた手と平行になるようにして受けの肘を極めます。

⑤肘に当てた手を支点にして位置を変えず返しながら、手首を掴んだ手をレバーを下げるように(円を描くよう)振り下げながら、同時に立ち上がります。

⑥肘の極めと立ち上がる脚力の合力で受けは前方に投げられます。

※決して受けの肘の手を押し出すように投げない、肘の極めが緩み投げる力が返って弱くなります。

※しっかりと受けの腕が平行になるよう気をつけます。

※⑤は腕の操作と立ち上がる動作にズレがないようにします。


2017年11月号 №19

【古流護身の形7本目】

半座半立ち4本 3本目

「逆構え中袖取り」に対する「下段当て」

①受けは取りの斜め前から中袖を掴み引っ張ろうとします。

②取りは受けに引っ張られないように脱力し受けの引っ張る力と均衡を保ちます。③取りは手首を勢いよく正中線上に返して、受けの掴んだ手を切ります。

④取りは、手首を返した反動を使いながら膝立ちで移動し甲を上に手の平の小指側側面を受けの膝下に押し当てる。

⑤受けの膝の可動域において曲がりやすく弱い方向に力を加えながら移動力で倒す。

※受けを倒すときには、手で押して倒すのではなく移動力を用いて倒す。

※受けの膝の弱い方向とは、円を描くように膝を前に引き出して、外側に力を加える。


2017年10月号 №18

【古流護身の形6本目】

半座半立ち4本 2本目

「逆構え片手取り」に対する「転回小手返し」

①受けは取りの斜め前から腕を掴み引っ張ろうとします。

②取りは受けが腕を掴もうとしたときに手首を返しながら手を自分の中心に誘い込みます。

③受けが掴んだ手を引っ張ったら、その方向に向かい受けが引っ張るスピードより速く、膝を立て手刀を立てながら受けの手を極めます。

④取りは反対の手で受けの肘を制しながら受けの腕が自分の肩に乗るぐらいまで引き寄せ、頭上で反転し、そのまま床に着けます。

⑤倒れこんだ受けの肘を更に圧してのけ反らせ、肘を使って受けに体重を乗せ、足を45度方向に伸ばし、受けが起き上がらないように固定して空いている手で受けを制します。

※受けを倒すときには、十分にコントロールして受けが頭を打たないようにすること。


2017年9月号 №17

【古流護身の形5本目】

半座半立ち4本 1本目

「裸締め」に対する「転回小手捻り」

①受けは取りの背後から首を絞め後ろに引き倒そうとする。

②受けの手が首に掛かった瞬間に受けの手を両手で下から掴む。

③同時に背中を反らしながら前方に倒れこむようにして受けと密着しないように背中に空間を作る。

④掴んだ手を下に勢いよく押し下げて受けの手を切ると受けの左手を小手捻りに取る。

⑤両手で小手捻りを極めながら受けの手が頭上で円を描くように誘導し正中線上で振り下ろし受けを前方に倒しこむ。

⑥左ひざを立て小手捻りを極める。


2017年8月号 №16

【古流護身の形4本目】

座り技4本 4本目

「前方両手取り抑え」に対する「下段当て(天秤投げ)」

①取りの両手首を受けが上から押さえ込もうと掴んだ瞬間に手刀をしっかり立てる。

②肘を胴体に密着させ膝と腰の力を利用して受けの身体を浮き上がらせる。

③そのまま勢いを途切らせないで、両手を高く持ち上げる。

④左手で受けを後方に促し、右手で足首を捉える。

⑤左手を大きく後方に反らし、受けの態勢を崩しながら、右手は受けの足を払うように円を描きながら反転する。

⑥投げた受けの方向に残心をとる。

※決して腕力だけで受けを持ち上げようとしないこと。


2017年7月号 №15

【古流護身の形3本目】

座り技4本 3本目

突き(裏突き)に対する小手返し

①取りは受けの攻撃を促すよう少し腰を浮かす。

②受けは取りの攻撃を感じ、取りの鳩尾に突きを放つ。

③取りは突きを半身に捌き脇を締め手刀を立て突きを制する。

④同時に空いている手で受けの顎に当身を入れ、受けの身体が浮き上がらせる。

⑤同時に当身を入れた手で突きの手首を小手に取り、小手返しを掛ける。

⑥受けをひっくり返し膝で極める。

※受けの突きを捌くときは、攻撃の線上に取りの身体が残らないように腕も足もしっかり捌くこと。


2017年6月号 №14

【古流護身の形2本目】

座り技4本 2本目

面打ちに対する逆構え当て

①受けの攻撃の気配を感じたら、受けのこめかみに逆構え当てにて手刀を当てる。

②そのままの姿勢で移動力で倒す。

※空いている手は受けの攻撃を防ぐため、しかっり手刀をつくる。


2017年5月号 №13

【古流護身の形1本目】

座り技4本 1本目

正面打ち(裏拳)からの押し倒し

①受けの攻撃の気配を感じたら、先に取りが裏拳を打つように受けの眉間を攻撃する。

②攻撃を受けとめた受けの腕をとり押し倒しを掛ける。

※最初の取りの攻撃の際に右膝の踏み込みを忘れないように。


2017年4月号 №12

【裏技3本目 逆構え当てに対する下段当て (1級審査)】

①受けの逆構え当に対して空いている手で受けとめると同時に、掴まれた手を小指を下に捻りながら切り落とし離脱する。

②同時に右足を後ろに大きく引き空間を作る。

③間髪入れず、下段に入り当身を掛ける。


2017年3月号 №11

【裏技4本目 下段当てに対する相構え当て (1級審査)】

①受けの逆構え当てから下段当てに移行する沈み込んだ瞬間に掴まれた腕を受けの頭上を越えるように肘を支点にして外側に返す。

②同時に右足を斜め後ろに下げ

③左足を右に平行移動し足の位置を入れ替える

④左手を受けの脇の下から差し入れ受けをのけぞらせる

⑤相構え当てを掛ける

※受けは腕を返された瞬間に足をそろえること


2017年2月号 №10

【握り返し下段のつくり4本目 逆構え逆手持ち 持ち方(2級審査)】

①掴まれる瞬間、手首を捻り小指を上にした状態で掴まえさせる。

②手首を内側から捻りながら受けの手首の上へ滑らせる。

③手の甲を滑らせながら、手の甲を返し反転する。

④親指を滑らせながら手首を掴む。

※手と手が離れないように気をつける。


2017年1月号 №9

【隅落とし(2級審査)】

①受けの手を掴みつつ、しっかり足を引いて体を捌きます。

②同時に受けの手少し引っ張り出し、受けの前方の足の小指の外側に重心が乗るようにします。

③そのまま重心が小指の外側に乗った状態を維持しながら受けの手を掴んだまま、受けの手が取りの前方まで円を描くように振り出します。

④同時に、取りはその円に連動するように腰を切り、後方の足を引きつけ両足を揃えます。

⑤取りは受けの手を掴んだまま大きく上段に振りかぶり、外側の足を踏み出して受けの弱い方向である両足を結んだ線の直角二等分線上の受けの後方部に投げます。

※腕は最後まで放さず、掴んだままです。


2016年12月号 №8

【転回小手返し(3級審査)】

 

①正対し手刀で合わせていない空いている方の手を手刀を合わせている手の上を滑らせるように移動しながら相手の手首を親指と人差し指の間で軽く引っ掛けます。

②同時に手刀を返し相手の手首を掴みます。

③掴んだ手は相手の手首を捻り押し下げ、もう一方の手はそのまま親指と人差し指の間で掴まず手刀を張るようにしながら掴んだ手と同じ方の足で進みます。

④次に掴んだ手と反対側の足から前方に大きく踏み出し、相手の手首を切り上げていきます。

⑤そのまま、相手に背を向けるように転回し相手の手首が相手の首の後ろになるまで切り落とします。この時、手刀を張った手も相手の手首をしっかり掴みます。

⑥相手の体勢が崩れたままに、前方に強く解き放ちます。

※振り返った際に足の移動がないと相手の体勢が崩れません、前の足を踏み出して相手の体勢を崩しましょう。

※相手の体勢が崩れたまま、手首を下に振り下ろすと相手が頭を打つなど危険な状態になるので、相手の体勢が崩れたら固定し、前方へ強く解き放ちましょう。


2016年11月号 №7

座り技 押し倒し逆手取り小手捻り抑え 裏(4級審査)】

 

①正対した状態から、受けの正面打ちに対し取りも正面打ちで打ち合います。

②即座に90度に体を開きます。打ち込んだ手を合わせたまま同時に空いている方の手で受けの打ち込んだ手の手首に添えます。

③続いて受けの前方へ少し移動しながら打ち込んだ手刀で受けの手首を切り落とすように崩します。

④受けが畳に手を着いたら手刀を返して受けの手首を逆手に取ります。

⑤逆手を極めるため自分の肩口(肩の内側の窪み)に逆手に取った手首を極めたまま引き寄せます。

⑥手首に重心を掛け絞り込み極めながら相手を俯せに崩します。

⑦肩口に決めた手首はそのままにして、受けの肘を取りのもう一方の手を使い反転させます。

⑧同時に一瞬手を緩め受けの肘を返した方の取りの肘で受けの小指を挟み込み、受けの手の平が取りの胸にあたるように手首を極めます。

⑨受けの肩口を両膝で挟むように移動し、受けの腕を少し引き上げてから、もう一方の手で受けの肘を少し曲げて肘を極めます。

⑩最後に背筋を伸ばし体を受けの頭の方へ平行に捻って極めます。


2016年10月号 №6

【基本17本 押し倒し (4級審査)】

 

①正対した状態から、受けの攻撃の線を外すように体を捌く。
②受けの手の手首と肘の間の手首寄りに、両手を揃えるように手の平を受けの前腕にあてる。
③手首の寄りの手で下側から受けの手首を掴む、もう一方の手は受けの前腕にあてた状態で手のひらは開いたままにする。
④そのまま、腕を伸ばした状態で、掴んだ手を上方に捻りながら受けの前方の足に体重が乗るように、斜め後ろに移動する。この時も肘側の手の平は開いたままで、受けの前腕に対し空転させる。
⑤下がり切ったら、捻った手の手のひらを開き、肘側の開いた手で受けの前腕を下側から掴む、
⑥取りは自身の前方の足で一気に相手がのけ反る位置まで移動、この時掴んだ肘側の手で受けの肘が上がりきるまで、受けの前腕を捻りあげる。手首側の手の平は開いたままで前腕に合わせたまま空転させておく。
⑦肘側の手は親指を肘の内側に移動、手首側の手は手首を深く持ち直す。
⑧そのまま、受け側の足で腰をぶつけるように斜めに移動しながら、受けの肘を振り下ろす。
⑨受けが倒れこんだら膝で受けの肘を押し込み固定する。
⑩受けの手が両肩を結ぶ直線上に来るように受けの手を移動させ、外側の足を進めて手首側の手を再度深く持ち直し、受けの手の平が上を向くようにしながら、膝頭の窪みに受けの手首を乗せる。
⑪肘に掛かった手は受けの肘を手の平で、さらに押し込み軽く掴んでおく。
⑫最後に姿勢を正し、相手を制する。

※受けの前腕は③~⑥で移動に伴い受けの前腕を捻りあげていく。

※足の移動は『>』になる。


2016年9月号 №5

【座り技 押し倒し表(5級審査)】

①受けの打ち込みに負けないように、取りも打ち込み合わせた手の勢いで受けがのけ反るくらいに、外側の膝で膝行しながら進む。

②そのまま、受けの手首を掴み、もう一方の手は受けの肘を親指が肘内側に掛かるように押し上げる。

③肘に掛かった手を振り下ろしながら、相手に向かうように内側の足を膝を立てながら進み、受けを倒す。

④受けの両肩を結ぶ線上に受けの手首を進め、合わせて外側の膝を進めて膝頭外側に自身の親指を引っかけるようにしてロックする。

⑤受けの肘を更に押し込み軽く抑え込みながら、受けの脇の下部分の急所に内側の膝を当て足を開くように抑える。

⑥最後に姿勢を正して制する。


2016年8月号 №4

【半座半立転回小手返し(6級審査の3本目及び初段審査護身の形6本目)】

①受けがつかみに来る手を誘い込み、受けの体勢を少し崩し戻ろうとした瞬間に受けの中心に向かって膝を立てながら進み、手刀を極める。

②極めた受けの肘を反対の手で制御しながら極めた手を振り上げ、手首をつかむと同時に両膝をパタンパタンと閉じ開きながら反転し、頭上の相手の手首を振り落とします。

③床に仰向けになった受けの肩口に寄り更に手首を極め、肘が床に着くよう屈曲させ受けに体重を預けながら外側の足を45度の角度でつっかえ棒になるよう伸ばし、最後に空いている手を振りかざし手刀で制します。

 

注意:受けの体勢を崩し頭を床まで振り落としますので、頭に衝撃を与えないよう受けが安全に受け身を取れるように取りは十分注意をしてコントロールしてください。


2016年7月号 №3

【逆構え片手取り引き倒し(7級審査の2本目)】

①手首をつかまれた時の手首の捻り ※つかまれる瞬間に誘い込むように手首を返し手の平を上にした状態でつかませる

②相手の正面への移動と同時に、つかんだ手が相手の顔の前まで移動、つかまれた手と反対の足が前になります、手の甲が自分を向くように手首を返す

③手首を両方の手上下につかみ、回転させながら後方に移動、引き倒す

ポイント

①引き倒す方向は相手の正面(足と足とを結ぶ線の垂直2等分線上)の方向であること。

②移動力で倒すこと

「取り」(技を掛ける方)は右側

「受け」(技を受ける方)は左側


2016年6月号 №2

【相構え片手取り正面当て(8級審査の1本目)】

①手首をつかまれた時の手首の捻り ※つかまれる瞬間に誘い込むように手首を返し小指を上にした状態でつかませる

②相手の正面への移動と同時に手の平が上を向くように手首を返す

③手首を擦りあげながら相手に向くように手首を返す

④そのまま真直ぐ重心を落としながら膝が相手の足の間を割るように前へ進み倒す

ポイント

①手首を返した時に相手の身体が反る位の位置に移動すること

②決して腕力で倒さないこと、あくまで移動力で倒すこと

「取り」(技を掛ける方)は右側

「受け」(技を受ける方)は左側

※右下の写真は説明のため、反対方向から撮影しています。「取り」が左側、「受け」が右側になっています。


2016年5月号 №1

【打ち込み】

自然体から畳1畳分を一瞬で移動します。特徴は移動後においても自然体であることです。例え距離を稼いでも移動後の姿勢が崩れては次の動作に間に合いません。常に攻守の姿勢が取れるよう自然体から自然体へ、相手に不利になるよう大きな移動を可能にしています。技術としては運足法と同様に跳ぶというより滑るイメージですね。決して足の裏が畳から離れないようにします。